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2017.07.28

7月17日 覚満淵自然観察会報告です。

7月17日に覚満淵の自然観察会を行いました! 天気に恵まれた中、100人以上の方にご参加いただきました。 指導者が引率することによって、より多くの植物や覚満淵の植生について皆様に知っていただく事が出来たと思います。 ご協力いただいたスタッフの方、ご参加くださった方、ありがとうございました! 主催:赤城山の自然保護活動推進協議会 協力:NPO法人 あかぎくらぶ/ サンデンフォレスト、NPO法人 赤城自然塾、NPO法人 群馬県自然保護連盟、NPO法人 ぐんま緑のインタープリーター協会、NPO法人 フォレストぐんま21、赤城姫を愛する集まり、ぐんま森林インストラクター会,(財)サンデン環境みらい財団、赤城山観光連盟、赤城南麓森林組合、国立赤城青少年交流の家、前橋市赤城少年自然の家 後援:群馬県、前橋市 場所:赤城山覚満淵等 時間:8:30~11:50 参加者:101名   8:30~8:45 スタッフ集合、打合せ、準備 8:45~9:20 受付 9:20~9:30 班分け 9:30~9:55 オープニングセレモニー:主催者挨拶、後援者挨拶、指導者紹介、自然観察実施上の注意 9:55~10:00 指導者の指示により移動 10:00~11:30 自然観察 自然観察は8班に分かれて行いました。各班に指導者と指導助手がつき皆様をガイドして頂きました! 以下に載せるのは観察会の時に見る事が出来たお花です。   真ん中の紫の花がヤマオダマキです。 カラマツソウです。 コオニユリです。ユリ根…(´▽`*) ニッコウキスゲです。今回の自然観察会のサブタイトル「ニッコウキスゲをよみがえらせよう」の元になっているお花です。国の天然記念物に指定されている湿原に多く見られます。尾瀬にも群落があり、ミニ尾瀬覚満淵でも見る事が出来ます! 11:40~11:50 クロージングセレモニー、集合写真撮影、主催者御礼挨拶 ※覚満淵の観察会終了後に希望者対象は「小沼・長七郎山の自然観察」を行いました。 12:30~14:30 小沼駐車場集合、指導者有志と一緒に自然観察 各班にて指導をしていただいた方たちからコメントを頂きました! 1班から順に掲載しておりますので。   1班 坂庭 浩之 今年もAKGを中心としたメンバーの皆さんと観察会を行いました。 ササの中から顔を出すヤマオダマキの根元をササをかき分け、「きれいな花を虫たちに見せて受粉するために、見えないところでこんなに努力しているんだよ」と話を伝えたところ「まるでAKGみたいだね! 頑張らなくちゃね!」合いの手が入り、和やかな笑いが生まれました。 自分たちのがんばりと、自然観察を重ねてた貴重な体験ができたようです。 若い皆さんに自然観察をするおもしろさが少し伝わり、嬉しい気持ちになりました。 来年の多くの参加を期待しています。 2班 春山明子 今年も「楽しい思い出をお土産にできるように」を目標に案内をさせていただきました。若い参加者が多いので、説明も流行りの歌や名前にちなんだ親しみある説明を心がけました。参加者が20名と多く列が長くなってしまうためにサポートの方も重要な役割なのですが、遅れず安全にと気を付けてサポートして頂いたので、安心してガイドに集中することがきました。2班の参加者は毎年同じ方が参加してくださるので、新しい説明や親しみやすい話を用意して、また来年も楽しい観察会になるように勉強したいと思います。 3班 小暮 市郎 参加者に配布した資料「植物写真」を今回はとりわけ有効に使うことができました。 例年になくニッコウキスゲの開花株数が多く、その近くにノハナショウブが咲いていたので、花の構造観察に好都合だったからでして、外花被・内花被・雄しべ・雌しべの数や位置関係を観察してもらい、分類上、ニッコウキスゲはユリ科(新分類ではススキノキ科)、ノハナショウブはアヤメ科に属することを確認してもらえたと思っています。 今年、ニッコウキスゲの株数が増加した理由は何か? 結論を急がないで、宿題にして調べたいとも思いました。 4班 櫻井昭寛 天候に恵まれ、8名と少人数で気持ちのいい観察会ができました。県道を通って直接鳥居峠に向かうコースでしたが、鳥居峠の手前の草原では、クルマユリ、シモツケ、ヤマホタルブクロ、ヤマオダマキ、ミヤマカラマツ、ウマノアシガタなど多くの花の観察ができました。 各ポイントの解説では中学生の林間学校で使用している資料を使い、その時の様子も交えてお話ししましたが、覚満淵の過去から現在まで、現状の問題点について理解して頂けたかと思います。 覚満淵の山側では、普段姿を見るのが難しいウグイスが大きな声で囀りながら姿を見せてくれました。ここでしか見られない光景です。覚満淵の現状を理解して頂くことが目的ですが、それ以上に覚満淵の自然を楽しんで頂けたと思います。 梶原さんには急遽サポートに入って頂き、ありがとうございました。 5班 田中洋助 参加者は親子(小5)、夫婦、男子3、女子1の8名で案内は田中,二川真二、神宮開の3名。人数も少ないので動きやすいと考え、先を譲っているうちに最後尾になってしまった。 覚満渕木道手前ミズナラ林内にササがなくなって裸地化した原因について、参加者に問いかけたところ「ヤギの放牧で食べられた」「毎年きれいに刈払った」「病気かな?」「芽も出ていない。薬を撒いた」などいろいろな予想が出された。そこで、神宮さんから衝撃の原因解説がされて、一同「うそ―っ!」と言ったきり次の声が出なかった。 原因の正解は、覚満渕のミジンコを採取して、この場所で観察することが繰り返し行われた結果,踏圧でササが消滅してしまったというものだった。 自然保護を目的に学んでいる子供たちの行動が裸地化の原因だったとは、想定外のビックリポンだったが、シカが歩いた跡に「けものみち」が出来ている様子も確かめて、自然は意外と簡単に壊れてしまうが、再生は容易ではないことを学んでもらった。 タムラソウは紫色の花が一杯ついているので多紫草(タムラサキソウ)→サキを省略してタムラソウとなった。ナツノタムラソウは雄蕊と花柱が花の外に長く出ている。 ここで見られるのは花冠に長い毛のあるミヤマタムラソウ(ケナツノタムラソウ)。 ヤマオダマキは花の後ろに蜜をためる距が5本出ている。糸を巻き取る織物の道具「篗糸巻きワクイトマキ」も棒が5本で形が似る。ワクイトマキソウと名付けるところ間違えてオダマキと名付けてしまった。苧環オダマキは中空の糸玉をさす。苧は麻やカラムシの糸のことで、オダマキは麻糸を巻き取ったもの。などいろいろな花の名前のいわれなど解説して楽しんでもらった。 昭和58年群馬国体の折、昭和天皇が赤城山行幸の際に詠んだ製歌碑をまわり、元御料地を払い下げを受けて県立公園としたのが赤城の自然保護活動の原点となったことを認識してもらった。 天気も良く、コースも最小限に絞って案内したので、予定した花もすべて見てもらい、当会の趣旨も十分理解してもらえたと思うが、各ベテランガイドの名調子が止まらず、予定時間をオーバーし、5班はまたまた遅刻という失敗の繰り返しとなってしまい大変ご迷惑をおかけしました。皆様申し訳ございませんでした。 午後の観察会では、小沼の解説看板に誤記があることを確認し、正しく訂正してもらうよう設置者に伝えることとなった。 小沼周遊歩道では、モウセンゴケの白い花が咲き、ハンノキを食草とする大型の蛾オオアオミズを見たり、エゾハルゼミも7月中旬になるとコエゾゼミやアカエゾゼミに変わることを教わった。トウゴクシソバタツナミがまだ咲いていた。 6班 亀井 健一 天気に恵まれたことが何より幸いでした。予定した解説事項にほぼ触れることができたと思っています。また、花が結構たくさんあり、皆さんに楽しんでもらえたのもよかったです。赤城山山頂部の成り立ちやシカの食害などに関するラミネート資料を多数用意したので、理解がそれだけ深まったものと考えています。シカが葉や樹皮をどのように食べるのかを具体的に理解してもらうには、歯の構造がわかる頭骨の実物があると役立つと思いました。来年の観察会のために、シカの頭骨を貸してくれる人はいないでしょうか。 植物について、詳しい人(毎年参加しているらしい人)と、そうでもない人と混じっていたようで、扱い方が難しい面もありました。尤も、それはどんな会でもあることなので、中庸を考えればよいだろうとは思いますが。あるいは、参加者にもっと質問をして答えてもらう質疑応答形式も考えられます。 進行の時間調節や解説の補足など、清水さんにうまくカバーしてもらい、全体としてスムーズに進行することができました。補助役の人の貢献も大きいものです。 7班 篠原 豊 覚満淵を右回りに、咲き誇っている花などを観察しながら歩いた。 入り口でミツバウツギがあり、おいしい山菜で、アクが少なく、お浸しやゴマ和えなどにして利用できることやダイコンソウなどについて話してから、防鹿ネットをくぐってミズナラの林の中に入った。ミズナラの葉柄を確かめたり、ズミやミヤマイボタにつて話したりして水辺にでた。 ここではウスアカノイバラの咲き残りの花を見たり、コブシや岸に付着しているヒドラの話を簡単にして堰堤から移動した。 ヤマオダマキやニッコウキスゲの花を観察し、木陰から草原に出た。トネアザミやメギの鋭い刺を確かめてもらったり、カワラマツバやツリガネニンジンの話をしたり、ミヤマイボチの陰にひっそりと咲いているクルマユリを観察したり、紫のヤマオダマキやノハナショウブの花つくりとマルハナバチの関係やササに止まったウラギンヒョウモンを観察したり、ヤマドリゼンマイとオニゼンマイの違いについて話をした。 ウラジロモミの箇所は時間の関係で割愛し、ヌマガヤの原に廻り、オトギリソウやヨツバヒヨドリとヒロハヘビノボラズとヤマトキソウの話をして最後の観察場所へ行き、ネットの中にクガイソウ、ヨツバヒヨドリの花が多く、ササ刈りの効果が素晴らしい結果を生んでいることを確認してもらった。その後ネバリノギランの花穂に触ったりモウセンゴケやツボスミレ、カルガモの親子を見て観察を終了した。 観察時間が1時間半では観察しきれないほど花や蝶などが多く、天候にも恵まれた素晴らしい半日だった。 8班:吉田龍司 案じていた天気も好天に恵まれた事が、何と言っても最大の成功だった。唯、参加者に対する班分の工夫があっても良かったのではないかと感じられた。 知識がある方と、全くのビギナーとの混成は一方的な解説となり、双方にとっていい結果とならない。 花の構造、訪花昆虫と野鳥、標高と地質による植生の違い等、やや専門的な要素が必要となる。私は以上のことを踏まえて指導を行ったので、参加者に戸惑いがあったかも知れない。 特にルート変更された県道、ごみ捨て場、屎尿捨て場周辺の植物変化。鳥居峠から覚満淵俯瞰の「ダケカンバ除伐後」の景観。湿原の木道建設時の「車輪の跡」の負荷。30年以上たっても回復しない現実問題。参加者がどう感じたか目で確かめながら問題提起の指導を行った。

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