赤城山の四季

赤城山第1スキー場


2014.12.02(火)


自称「日本一小さなスキー場」はスキーをするにはやっぱり小さい!けれども家族で遊ぶには広大なんです。首都圏からもアクセス良好で、雪道が苦手な人にはうれしい温泉→山頂直通バスのパーク&ライドや、無料駐車場も充実。大人はまったり、子供は大はしゃぎのでとっても楽しい赤城第1スキー場の魅力と、日本一小さなスキー場誕生の歴史をご紹介。


赤城山第1スキー場


日本最小級のゲレンデでファミリー雪遊び

標高差や最大斜度、コース全長などスケールの大きさが選択の基準にもなるスキー場だが、赤城山には日本最小級の小ささと独特の楽しさで注目を集めるスキー場があり、毎年だいたい12月の終わりごろにオープンする。

群馬県は赤城山の一峰・地蔵岳を背にした北斜面に位置する赤城第1スキー場の面積はおよそ9ヘクタール。「自称日本一小さいスキー場」は、スキー場としてはやはり、日本最小クラスの小ささを誇る。リフトやゴンドラはなく、2012シーズンより全長60メートルで1日券800円のスノーエスカレーターが1本設置された。そしてその斜面のおよそ半分が「そりエリア」である。そりエリアとはネットで仕切られた「スキーエリア」にも、本気のスキーヤーなどは皆無。ということは、子供たちが安全に思う存分雪を楽しめるエリアとしては、かなりの面積が用意されていることになる。赤城山の日本最小級のスキー場は、広大な雪のプレイパークでもあるのだ。


圧雪のゲレンデに鮮やかなシュプールを描き・・・、という楽しみ方には全く適さないが、大人はまったりと、子供は思う存分、家族で雪を楽しむならばここが一番。
この10年ほどもゲレンデから足が遠のいていたご夫婦も、すぐ隣のそりエリアで歓声を上げる子供たちを見守りつつ、ちょびっとスキーを楽しむ。そんな休日を過ごしたいなら、ここが日本一のスキー場だ。
覚満淵の入り口、赤城山ビジターセンターに隣接する第3スキー場はリフト等の営業はしていないが、自由に雪遊びを楽しむことができる。


ランチや宿泊についても心配無用。ワカサギの穴釣りのメッカであり、厳冬期でも釣り客が絶えない大沼周辺では、旅館も飲食店も1年を通して営業している。スキー場の周辺~大沼にかけては、群馬の地粉を利用したアツアツのうどんや、特産のおいしい豚肉を使った料理が楽しめる。

第1スキー場ソリエリア
※スキーやスノーボードを真剣に楽しむ目的で来場すると、当然がっかりするので迷わず他のスキー場へ。雄大な景色でバックカントリーならば、冬山登山スキルのある方は赤城第一スキー場の上の地蔵岳や小沼から長七郎山周辺へ。全面結氷の大沼湖上ではクロスカントリーも。


ちなみに青木旅館の駐車場脇からつづく赤城第二スキー場は、現在は営業を行っておらず、見晴らし~白樺牧場と続く軽めのスノーシュー・スノートレッキングルートの登り口となっている。しかし、当然ご利用は自己責任となるが、そりあそびや雪遊びには十分の、それなりに広い雪の斜面だ。ファミリーで青木旅館に泊まるなら、さながらプライベートゲレンデだ。


小さな小さなスキー場、誕生までの歴史

昔の赤城山第1スキー場「地蔵岳大滑降」

赤城山第1スキー場。後方に見えるロープウェーから地蔵岳大滑降は3kmのダウンヒル。

大正時代にはすでにスキーが行われ、昭和の初めには日本を代表するスキー場のひとつとして名が挙がるほどだった赤城山。昭和4年2月には、新設された「地蔵岳大ジャンプ台」で、ノルウェーの選手も参加して、日本初の国際ジャンプ大会が開催された。そのジャンプ台を独学で設計し、建設したのが赤城山出身で日本のスキーヤー・スキー指導者の草分けの猪谷六合雄だ。そして、その息子にあたる猪谷千春は、少年時代の一時期に赤城山でスキーの練習を積み、後の1956年にイタリアで行われたコルティナダンペッツォオリンピックのアルペンスキー男子回転で銀メダルを獲得し、アジアで初めての冬季五輪メダリストとなった。


赤城山は降水量は少ないが1月2月には月間平均気温でも0度を下回るため、アスピリンスノーと称えられる結晶が細かくサラサラの雪が降り積もる。東京近郊からも相対的に好アクセスで、最上質の雪を求めてゲレンデには人々が殺到し、赤城山はウインターリゾートとして大いににぎわった。
昭和30年代に建設された、地蔵岳山頂へのロープウェー。山頂から麓まではおよそ3km、覚満淵と大沼を見下ろし、黒檜山を見渡す爽快な大滑降は、70年代にはスキーヤーたちの憧れの的だったという。
時は流れ、スキー人気の停滞とレジャーの多様化や嗜好の変化などによって、大規模なスキーリゾートに人々が大挙して訪れる時代は終焉を迎えた。大型開発を牽引してきた資金も引き上げられ、平成10年には地蔵岳ロープウェーも休止となり、過日には人々であふれ返ったスキー場も、一旦営業を終えることとなった。

昔の赤城山第2スキー場。黒檜山を眺望する

昔の赤城山第2スキー場。正面に黒檜山を眺望する


スキー場の跡地は、その一角を旧富士見村(前橋市富士見町)が一旦芝スキー場として整備し、赤城山観光連盟が委託を受けて冬のスキー場の運営を行うようになり、極小のスキー場が誕生することになった。圧雪は、専用の大型車両等はなく、スノーモービルでぐるぐる回って行っているらしい。
かつての広大なスキー場のほんの一隅にあたる現在のゲレンデには、あいかわらずアスピリンスノーが積もり、子供たちの歓声が響き渡る。過日の大型リゾートは、人々に愛される小さなスキー場となって、家族連れや、スキー教室の小・中学生たちで賑わいを見せている。


赤城山第一スキー場

赤城山第一スキー場


赤城山スキー場へのアクセス


普通タイヤでも問題ない!マイカー+バス+温泉で雪の赤城山を満喫。

冬季は前橋市から赤城山へのアクセスは、県道4号線のみが通行可能で、標高1,000メートル前後から積雪があるためスタッドレスタイヤ、チェーン等の装備が必要で、カーブの多い圧雪の山道を慎重に運転することになる。ところが、そんな雪道装備がなくても心配無用!11月~3月の末まで、赤城山直通バスがすべて富士見温泉駐車場経由で運行し、土日祝日は大幅増便となっている。
富士見温泉駐車場に駐車したら直通バスで山頂へ。冬山を丸一日かけて満喫した後は、関東平野を一望する大露天風呂が自慢の富士見温泉見晴らしの湯で、ゆっくり温まる。帰りも、マイカーだったら豚肉や新蕎麦など名産グルメが選び放題。赤城山の恵みを堪能したい。
バスは、富士見温泉~山頂エリアへ通常運賃で往復2,400円のところ、車内と富士見温泉見晴らしの湯で購入できる「AKG冬割パス」では1,650円とお得に利用できる。


■バスでのアクセス
>>関越交通 赤城山直通バス運行情報


■マイカー+バスの拠点 富士見温泉
富士見温泉 見晴らしの湯ふれあい館


赤城山第1スキー場

所在地:群馬県前橋市富士見町赤城山大洞
問い合せ:大沼山荘
電話番号:027-287-8311
営業日:土日祝日の午前9時~午後4時にスノーエスカレーター運行
スノーエスカレーター料金:一日券800円
レンタル:大人スキーセット2,500円/子供スキーセット2,000円/ソリ 500円
無料駐車場:約100台
雪はすべて天然そのまま。ゲレンデ状況などは、大沼山荘(027-287-8311)へ。
リフトの運行がない平日でも、レンタルは予約をすれば利用でき、ゲレンデと駐車場はいつでも自由に利用可能。毎年12月末~3月中旬ごろまで営業。


赤城山第3スキー場

所在地:群馬県前橋市富士見町赤城山1
問い合せ:赤城山ビジターセンター
電話番号:027-287-8402


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